時短と生産性の向上について(その2)

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『時短と生産性の向上について』(その2)
…2015年度の時間当たり労働生産性は、
  OECD35カ国中20位で42.1ドルです。
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…前回のつづきです。

我々日本人は、生産性の向上と時短・労働力の確保を経営的に
解決していかねばなりません。そのためには、生産性の向上を
図る、何よりもこれが必要です。

■前回号でご紹介した仮説を検証してみましょう。
「…日本の企業は顧客の声を聞きすぎる。顧客の過度な要望へ
の対応は、企業を疲弊させ、低生産性の元凶になっている。顧
客を神さまと勘違いして、過剰な対応を行うということは、一
方で、自社の経営と従業員を疲弊させることになる。顧客に提
供するサービスの内容と、負担いただく価格のバランスが、国
全体として崩れてしまっていることが、日本の生産性を著しく
低くしてしまった。…」

◆「顧客はだれか?」顧客の定義・選別が重要です。
顧客をないがしろにしても良いとの意味ではありません。お客
様第一、この発想こそビジネスの礎です。問題なのは、顧客の
定義が曖昧なことです。全員が顧客だ、との間違えた思い込み
です。

〔わかり易いので飲食店の例で…〕
○高級なフレンチレストランではミネラルウォーターも高価で
す。「水がなぜこんなに高い?」との疑問を呈する人は顧客で
はありません。ただし、この高価なミネラルウォーターは、立
派なグラスで丁寧に提供されなければなりません。
○一方、大衆店で、おいしい水を立派なグラスで提供してもら
おうと考える人も、この大衆店の顧客ではありません。

◆顧客を定義するためには、提供するサービスを明確に定義す
る必要があります。

〔わかり易いので飲食店の例で…〕
○当社は高級なフレンチレストランを経営するので料金は高い、
お水はミネラルウォーターを立派なグラスで(有料で)提供す
る。ミネラルウォーターが高いという人は当社の顧客ではない。
○当社は大衆店を経営するので価格はリーズナブル、その分顧
客の細かい要望にはお応えできない。

上記を明確にしないまま、お客様第一主義を突き詰めると、そ
のツケはすべて自社に、自社の従業員に跳ね返ってきます。

◆営業時間の問題も、個別対応の問題も同じです。
顧客が望むから(推測も含めて)営業時間を延長する、顧客が
要望するから(推測も含めて)個別対応を行う…これらを収益
上の検証も行わず、その多くを顧客満足度の向上との安直な発
想で取り入れ続けた結果が、生産性の低下を招いています。

◆もはや精神論と根性論だけでは解決できません。
成熟著しい日本の市場においては、すべての事業体が、自社が
定義した顧客(のみ)に対して、自社が定義したサービスや商
品(のみ)を、生産性の整合性を担保した上で提供していく方
針に舵を切らねばならないようです。
1.自社の顧客に対してのみ顧客第一主義を貫く。
2.自社が定義したサービスや商品のみを提供する。
さらに、これらの収益上の整合性を確保することも必要です。

■『時短と生産性の向上』のためには…
1.顧客の選別(絞り込み・単純化)
2.商品・サービスの明確化(絞り込み・単純化)
3.価格の改定(値上げ)
4.営業時間の見直し(短縮)
今の日本は、好むか好まない、できるかできないではなく、こ
れらの選択肢を排除できない、切羽詰まった岐路に立たされて
いるように思います。

繰り返しますが…
「…日本の企業は顧客の声を聞きすぎる。顧客の過度な要望へ
の対応は、企業を疲弊させ、低生産性の元凶になっている。顧
客を神さまと勘違いして、過剰な対応を行うということは、一
方で、自社の経営と従業員を疲弊させることになる。顧客に提
供するサービスの内容と、負担いただく価格のバランスが、国
全体として崩れてしまっていることが、日本の生産性を著しく
低くしてしまった。…」
この機会にご一考いただければ幸いです。

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